永正寺副住職 中村建岳が、法話を推敲する過程で考えたことや、日頃感じていることなどを、そのまま素直に表現するブログ。

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価値のある供養

2011.3.28

檀家さんをはじめ皆さんに
よく尋ねられることがあります。

「 お線香は何本がいいのか 」
「 ろうそくは何色がいいのか 」
「 お供え物は何が必要か 」

などです。
中には、

「 何か不足があるとご先祖様は浮かばれないのでないか」
「 悪くすれば、たたられるんじゃないか 」

など、不安に思っていらっしゃる方もおられるかもしれません。

そんな時、私たちは、
どうぞもっと気楽に力を抜いて、
自然にしていただければいい
とお答えします。

真心の問題ですから、
形はそれほどこだわらなくていい。
たとえお供えものがなくても、花がなくても、
手をそっとあわせるだけで充分ですと、
無理のないできる範囲でどうぞ。

とお答えしています。
禅宗はあまり形にこだわらないのが宗風だと思っています。


でもやっぱり、かえって「何でもいい」なんて言われると、逆にやりにくい。
「何か言ってほしい。その通りするから」「和尚の言ったとおりするのが安心」といわれます。

もちろん
不安のないようにお供え物などのご説明をしています。



ここで皆さん。
一番価値のある供養って何だと思いますか


例えば、
亡くなった人が好きだったもの、豪華な食事、高価なロウソク、薫り高いお香をお供えすることでしょうか?


永正寺の先代住職である
水谷月江 先住職のエピソードをご紹介いたします。
(私の祖父にあたります)


今は亡き先代住職が現役だったころです。

ある家で、一家の大黒柱の方が亡くなられました
若すぎる突然の死でした。
残された家族は悲しみに打ちひしがれながらも通夜、葬儀を執り行います。
昔ですので、地域でいろいろ しきたり などうるさく言われた時代。

なんとかお金を借りてでも仏壇を用意しなければならないのか
大黒柱を失ったご遺族が、先住職に相談されます。

「 お仏壇、どんなものを買ったらよろしいでしょうか 」

先住職は答えたそうです。

「 あんたなあ。一番価値のある供養って知っとるか? 」
 
「 あんたたち残された人が、悲しみを乗り越えて、立派に生活することだがね
  いろいろ無理してあんたたちの生活ができんくなったら、亡くなった旦那さんが一番悲しむがね。

  あんたたちが今しなければいけないのは、大黒柱を失った生活をまず立て直すこと

  そして、少しずつ余裕ができるようになって、何年かかってもかまわないから、
  『 ようやく仏壇が買えるまでになりました 』と報告できればいい。

  その時に旦那さんが一番喜ぶがね 」



東日本大震災が起こり
2週間が過ぎました。

大変甚大な被害です。
被災された皆さん、大切な方をなくされた方の悲しみ、苦しみはいかばかりかと思います。

ともすれば、
心が落ち込み、力が湧いてこない状況でもありますが、

日本全体が精神的に落ち込んでしまったら
それこそ、被害にあわれた方に申し訳がたちません。

喪に服しながらも、
日常生活をしっかり送り
心と力の余裕を生み出して

その力を被災地に届けることができるよう
暮らしていきたいと思っています。


現在、原発事故などは全く予断を許しませんが、

復興への歩みも進めていかなければならないと感じています。


ふさぎこんでしまったり、
なんでも自粛するのではなく、
長年続いているお祭りなど
復興支援を考慮工夫して開催する方が良いと思います。


力強く日常を送っていくことが大切だと感じています。







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コメント
がんばります!
本当に健岳さんの仰るとおり、前住職の仰ったとおり、
ご先祖様は子孫が平安に、しあわせに暮らしている事をこそ、
喜んでくださると思います。

今回の災害は甚大で、計り知れない大きなものですが、
「日本」から、元気が無くなってはいけません。
一人ひとり、できることを頑張る、
でも、その中に「楽しみ」があって良いと思います。
派手に騒ぎ立てるのは控えるべきでも、伝統的なお祭りなどは続けていった方がいいと、
私も感じています。
被災者の方々に、元気を吹き込んであげられるよう、努力、工夫をしてゆきたい。
原発被災者の方々1200人が、わが町に明後日からいらっしゃいます。
私に何ができるかを考え、まず自分達がしっかりとした生活を送り、
なおかつ、出来る事をしてゆこうと思います。
2011/03/28(月) 21:18 | URL | 白い月の風 #k9MHGdfk[ 編集]
No title
總持寺でお聞きした法話で、
供養のお花はいつも新しい物にしておくべきか?というお話で、
「お花はそのままで構いません、お花が枯れても香りは残っています。
心も同じようにそこに残っているんですよ。」とお話されてました。
なるほど~と感心したものです^^
2011/03/29(火) 00:17 | URL | うるちん #-[ 編集]
Re: がんばります!
白い月の風さん
コメントありがとうございます。

被災された方の大変さ辛さは
本当に想像を超えると思います。

だからこそ
明るく頑張っておられる人もいると思います。

私も
日常をしっかり送って、
何かできることをしていきたいです。
2011/03/29(火) 07:29 | URL | 建岳 #-[ 編集]
Re: No title
うるちんさん
コメントありがとうございます。

總持寺で法話を聞かれたことがあるんですか。
素晴らしいですね♪

供養はまさしく
心の問題ですね。

亡くなられた人が
何を一番心配しているか?
何を一番喜ぶか?
考えていきたいと思っています。
2011/03/29(火) 07:36 | URL | 建岳 #-[ 編集]
故人への供養
私は、供養は、故人を思い出した時に、思い出に浸り、感傷に浸る事で、良いと思っています。

記憶の中に生きている、故人は、輝いています。

それが、供養だと思います、形式にとらわれ過ぎて、見失いたくない価値観です。
2011/03/29(火) 10:07 | URL | 平木 治瑠 #-[ 編集]
Re: 故人への供養
平木 治瑠さん
コメントありがとうございます。

そうですね。
供養は心の問題だと思います。
心は、移ろいやすく、目に見えないからこそ
形を求めてしまうのでしょうね。

かといって
形に振り回されるのではなく
何が一番大切なのかしっかり押さえておきたいものです。
2011/03/29(火) 13:31 | URL | 建岳 #-[ 編集]
当たり前のこと
今日もためになる話、ありがとうございます。

当たり前のことを当たり前のこととして行う。
真理に基づいた行動を、どんなときでも当たり前に行うこと。
とっても力強く、大切なことのように感じます。

たくさんの人が亡くなっても、
多くの家や物が無くなっても、
大震災が起きたからといって、
いつまでも元気がでる行事や昔ながらの行事を自粛したりなくす必要はないですよね。

行えることが喜びとなり、
その喜びが喜び平和を生み、
みんなの心に灯火がつけばいいなぁと思います。

僕の周りも、形にこだわる人たちがいますが、
それはそれで大切かもしれませんが、
今回の建岳さんの言葉で、
形に囚われるのではなく、
相手が本当に喜ぶことを考え行動することの大切さに
再度気づかされました。

ありがとうございます。
2011/03/29(火) 16:16 | URL | ぜん #-[ 編集]
Re: 当たり前のこと
ぜんさん
コメントありがとうございます。

被災をしていなくても
本当に落ち込んでしまっている人が多くいると思います。

もちろん
過度な騒ぎをするのではなく
そして、決して忘れてしまうのではなく

日常をしっかり送ること
そして元気になって、
ひとりひとりが力を出せるような工夫が、今、必要だと思います。

そうですね。
形だけにとらわれるのではなく、相手が喜ぶような中身が大切ですよね!
2011/03/29(火) 22:00 | URL | 建岳 #-[ 編集]
No title
こんにちは。
ちょっとズレているコメントかもしれませんが、
供養というのは故人のためというより、
むしろ残された遺族のための行為かもしれませんね。
お葬式等もそうですが、人は悲しみを何らかの形で昇華(或いは消化)する必要があります。
きちんとした形で昇華する事で、ご遺族も次の一歩を踏み出せるように思います。
だからいいご供養は、ご遺族が立派に生活すること!というのは、とても納得がいきました。

今回の大震災で亡くなられた方に出来ること、
それは私たちが皆で協働して、素晴らしい日本を存続させること!だと思います。
私は一歩ずつ前に進んでいきたいです。

あっ今さらなんですが、リンクさせていただきました。
事後で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします<(_ _)>
2011/03/30(水) 12:44 | URL | トマシーナ #-[ 編集]
Re: No title
トマシーナさん
コメントありがとうございます。

全く仰られている通りです。
葬儀も残された方が、
しっかり気持ちを区切って、悲しみを昇華させることが
新たな生活を始めていくうえでとても重要なことですね。

また、新しい生活に一歩踏み出すには、
精神的なことと同時に経済的な面も非常に大切です。

永正寺では、
葬儀にお金をかけすぎないような、葬儀改革の取り組みを
今の住職が進めてきています。

亡くなられた人を忘れずに、これ以上心配させないような、安心してもらえる生活を
残された人は築き上げていくことを求められていると思います。

日本を立て直しましょう!


それから、
リンクありがとうございます♪
こちらこそよろしくお願いいたします。
相互リンクさせていただきますねっ♪
2011/03/30(水) 14:56 | URL | 建岳 #-[ 編集]
No title
 供養はむしろ残された遺族の為の行為。に、賛意を持ちます。
 ある不謹慎でどぎつい冗談を非難を承知で紹介すると、
 この世に思いを残した幽霊に対し、
「子孫の事がかわいくて気になって、見守ってやりたいだと
!子孫が高い金出して戒名付けてくれたのにそれでは修行僧失格だ!そんな煩悩が有るようでは何時まで経っても解脱して仏になる(成仏)なんてとてもおぼつかないぞ!」
 仏教とは関係なく、それ以前より祖霊信仰がある日本人としては、笑えない笑い話だなと思いましたが、
 残されたものはやはり心の整理が必要で、先に進めないようでは、まさに先祖は心配のあまり成仏できません。
 もう18年前になる阪神淡路大震災によせてのあるFMラジオ局のDJの、紹介する、ある歌手の言った言葉を思い出しました。
「自分たちはこの事を忘れないために忘れる。(思い出に変換してふっきる。或は、彼の居なくなった人の存在を、違う形で定義し存続し直させるということであろうか。)そして忘れるために忘れない。(いつまでも停止するのではなく、次に向かって進むために、充分に思い出を固める儀式をするということであろうか。)という事だと思います。
2012/11/29(木) 14:16 | URL | y.k #-[ 編集]
Re: No title
y.kさん
コメントありがとうございます。

供養についての考え方、
なかなかデリケートな問題ですね。

誰しもが避けて通ることのできない、
身近な人の死について、

精神的にも、経済的にも様々、
新たな生活をスタートさせていくことが大切です。

場合によっては
非常に困難なことがありますが、
宗教家としてできることを模索していきたいと思っています。
2012/11/30(金) 13:18 | URL | 建岳 #-[ 編集]
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